病院・クリニックの会計レジの効率化|自動精算機・自動釣銭機システムのおすすめ比較

セルフレジ

目次

病院・クリニックの会計の自動化

近年、コンビニやスーパー、飲食店で見られるように会計の一部が自動化されたり、セルフレジなどお客さんに会計作業の一部を任せる動きが当たり前になってきました。

また、大きな総合病院や大学病院ではすべての作業を患者さんが行うセルフの自動精算機の設置が当たりまえになってきており、この流れが中小病院やクリニックにも波及しています。

 

この背景としては、人材不足や感染症対策に加え、テクノロジーの進化や新しい日常に一般市民が慣れてきたということが大きいのではないでしょうか。

また、中小病院やクリニックではこのような自動化のための機器の設置にはいくつかのハードルがありましたが、多くの事象は改善されてきています。

  • 費用の問題:参入企業が増加したためコスト競争が進みました。以前は500万円以上していたものが100万円~程度になってきています。
  • スペースの問題:とくにクリニックではスペースに限りがあるため設置が難しかったのですが、機器の省スペース化が進み、受付卓上や待合室の小さなスペースに設置できる機器が増えてきました。
  • 機能や使いやすさの問題:メーカーの努力もあり、電子カルテとの連携機能や、高齢者でも操作できるような操作性になってきました。

会計自動化のメリット

会計業務の自動化を行うことで次のようなメリットがあります。とくに、これらのメリットから得られる副次的なメリットは経営的には大きなアドバンテージとなります。

  • 会計業務の効率化
  • 待ち時間の短縮
  • 感染リスクの低減
  • 現金取り扱いミスの防止
  • スタッフの業務負担軽減
  • キャッシュレスの対応が可能になる
  • POSシステムによる売上や各種指標の管理ができる

<副次的に>

  • 待ち時間が短縮することで同じ営業時間でも多くの患者を受け入れることが出来るようになります。
  • 会計時の患者対応の時間を削減することで、他の業務やホスピタリティの質を上げることに時間を費やすことが出来るようになります。
  • 結果的に患者が増加します。
  • スタッフにとっては心理的負荷の高い会計業務における会計ミスがほぼゼロになります。
  • 会計ミスによるクレームや残業時間(クリニックによってはしたくもないのに全員が連帯感で残業したりする)が軽減されます。
  • 結果的に人材の定着率が上がります。また、新規採用人材もこのように自動化されたクリニックを選ぶ傾向にあります。

会計自動化のデメリット

メリットを享受するためには、もちろんデメリットも享受する必要があります、以下のようなデメリットもありますのでこれらを理解の上で会計の自動化を行いましょう。

  • 初期投資とランニングコストが発生する
  • 設置スペースが必要
  • とくに導入のタイミングでは高齢者や機械操作が苦手な患者への対応が必要
  • 万が一の故障時には保守の対応が発生する

セルフレジ?セミセルフ? 自動精算機・自動釣銭機の違いとは

会計業務を自動化するためのシステム機器は大きく二つに分かれます。自動精算機自動釣銭機です。

自動精算機は、会計情報(コンビニでは商品のバーコード読み込み、医療機関では電子カルテや医事会計システムからの会計情報の読み込み)の登録作業を患者さんが行い、その後続く支払いの部分まで患者さん単独で行う機器です。

読み込みから支払いまで全ての工程を患者さんが行うため、これは、いわゆるフルセルフレジになります。

自動釣銭機は、会計情報(コンビニでは商品のバーコード読み込み、医療機関では電子カルテや医事会計システムからの会計情報の読み込み)の登録作業をスタッフが行い、最期の支払い部分のみを自動で行ってくれる機器です。

これは、一部をスタッフが、一部を機械が行うのでセミセルフレジとなります。

大まかには次のようになりますが、詳細は以下に記していきます。

特徴自動精算機自動釣銭機
使用方法患者さんが全ての会計プロセスを完結支払いの工程のみを自動化
スタッフの関与

会計だけに関してはほぼ不要(※1)

会計登録作業はスタッフが行う
設置タイプ床置き、卓上卓上型が多い
メリット完全無人化(※1)、感染リスク低減、会計ミス防止現金授受ミス防止、会計業務効率化
デメリット初期投資高、機械操作に不慣れな患者さんへの対応

完全無人化は難しい、初期投資必要だが自動精算機ほどではない

※1 会計(お金のやり取り)の面にのみ着目すると完全自動化は可能ですが、処方箋の受渡しで人が関わるオペレーションが発生します(詳細は下記)

自動精算機の特徴

自動精算機は、会計情報の読み込み作業から、支払いまで全て患者さん単独で行う機器です。いわゆるフルセルフレジになります。

様々な機器がありますが概ね次のような特徴があります。

  • 患者さん自身で会計情報登録(呼び出し):会計情報の登録(システムからの呼び出し)は多くの場合は診察券(スマホアプリも含む)のバーコードを読み込ませることで行います。
  • 患者さん自身で精算:お会計金額を確認の上、患者さんが自分で現金やキャッシュレス決済を選び、清算をします。現金の場合はお釣りが出ます。
  • 領収書や診療明細が自動的に発行:支払い後に領収書や診療明細書が自動で発行されます。
  • 設置タイプ:床置きタイプと卓上タイプがあり、クリニックの規模やスペースに応じて選択可能です。
  • 理論的には完全無人化ができるような機器になりますが、不慣れな患者さんの対応が一部発生するのが現実です。
  • 後に記す自動釣銭機よりも費用が高くなる傾向があります。

自動釣銭機の特徴

自動釣銭機は、会計情報の読み込み作業はスタッフが行い、支払いの部分のみを患者さん単独で行う機器です。いわゆるセミセルフレジです。

様々な機器がありますが概ね次のような特徴があります。

  • スタッフが会計情報の登録を行う:会計情報の登録(システムからの呼び出し)は電子カルテ連携で直接自動釣銭機に情報を送ったり、患者さんの診察券(スマホアプリも含む)や診療明細書等に印刷されたバーコードを読み込ませることで行います。
  • 患者さん自身で精算:お会計金額を確認の上、患者さんが自分で現金やキャッシュレス決済を選び、清算をします。現金の場合はお釣りが出ます。
  • 領収書や診療明細が自動的に発行:支払い後に領収書や診療明細書が自動で発行されます。
  • 設置タイプ:多くの場合で卓上タイプとなります。
  • 完全無人化はできませんが、患者さんは多くのスーパーなどで同様の支払いに慣れているので定着のハードルが低くなります。
  • 自動精算機よりも費用が低く抑えられる傾向があります。

オペレーション上の最大の課題は処方箋

処方箋は現在はほとんどの場合で紙で発行され、処方箋には医師の押印が必要となっています。

そのため、紙の処方箋のお渡し作業というものが発生するため、お会計のタイミングで「スタッフが患者さんに全く関与しない」ということは現状は難しいというのがあります。

これを踏まえて自院に合った会計の自動化を検討する必要があります。

製品の選び方・導入ポイント

会計の自動化をするための機器の選び方や導入のポイントについて、以下の要素を考慮することが重要です。

  • 導入の目的とクリニックの課題を明確にする

例えば、会計業務の効率化、待ち時間の短縮、感染リスクの低減、現金取り扱いミスの防止、スタッフの業務負担軽減など、具体的な目的を設定します。そして、 現在の会計業務における問題点を明確にし、それを解決するための機能を持つ機器を選びます。

  • 電子カルテ・医事会計システム(レセコン)との連携

自院の電子カルテや医事会計システムと連携可能かどうかを確認します。データ連携が可能な機種を選ぶことで、会計業務が一層効率化されます。連携する場合は費用が発生するのでそこまで確認しましょう。

  • 決済方法の種類や手数料

現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など、多様な決済方法に対応しているかを確認します。キャッシュレス決済の対応は、患者の利便性を高めますが、手数料が発生しますので、きちんと確認しましょう。

  • 未収金の管理

機器によっては、レセコンから会計情報を発信した時点でレセコン側で「お会計済み」となります。よって、実際の精算時に患者さんの持ち合わせが無いということが起きたときに、何かしらの形で未収金を管理できる必要があります。

  • 操作性・使いやすさ

患者さんとスタッフの両面で、機器が簡単に操作できるかどうかを確認します。特に高齢者や初めて利用する患者さんにも分かりやすい操作性が重要です。

  • 設置スペース

クリニックの受付や窓口に適したサイズの機器を選びます。床置き型や卓上型など、設置スペースに応じた選択が必要です。

  • 保守サポート

導入後の保守サポートの内容を確認します。操作部分と釣銭機器部分で保守が別会社になることも多いので、確認しておきましょう。

  • 費用対効果

初期費用やランニングコストを考慮し、予算内で最も効果的な機器を選びます。費用対効果を見極めるために、導入による業務効率化(残業時間やスタッフ満足度など)や患者満足度の向上を考慮します。

会計の自動化システム製品比較

Clinic KIOSK

  • コンパクトサイズ、95%以上の電子カルテ・レセコン等と連携可能です。
  • 小~中規模病院やクリニックをターゲットとし、コンパクト・省スペースな製品です。
  • 飲料の自動販売機方式(5円1円が使用できない)の自動精算機です。
clinic_kiosk

Clinic KIOSK for Desktop

  •  Clinic KIOSKの卓上バージョンです
  • コンパクトサイズ、95%以上の電子カルテ・レセコン等と連携可能です。
  • 小~中規模病院やクリニックをターゲットとし、コンパクト・省スペースな製品です。
  • 自動釣銭機になりセミセルフ型の対応となります。

アルメックス FIT-A

  • 薄型コンパクトボディ(高さ1503mm×奥行き350mm×幅650mm)ですので、クリニックでも起きやすいサイズです。
  • レセコンと連携接続して使用します。
  • フルキャッシュレス対応(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)です。
  • 全ての紙幣や硬貨に対応しています。
  • 自動精算機(自立型フルセルフレジ)です。

アルメックス FIT-B

  • シンプルなシステム構成で省スペース設計(奥行約450mm)となっており受付卓上での利用が出来ます。
  • フルキャッシュレス対応(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)です。
  • 全ての紙幣や硬貨に対応しています。
  • フルセルフとセミセルフの切り替えが可能です。基本的にはスタッフが診察券等のバーコードを読み取るタイプの自動釣銭機(セミセルフレジ)として使用しますが、レセコン連携等を行ってフルセルフで使用したり、様々な利用の仕方が可能です。
fit-b

PayCAS POS for クリニック

  • 10.5インチのタブレットと決済端末のみで省スペース設置が可能なためクリニックの受付卓上でも使えるコンパクトさです。
  • キャッシュレスサービスPayCASとの同時導入が可能で、クレジットカード、電子マネー(執筆時準備中)、QRコード決済に対応します。
  • 保険診療/保険外診療ごとの金額確認や未収金、会計待ち一覧の取得など、クリニック特有のPOS機能を搭載しています。
  • レセコンから会計データを連携しますが、基本的にはセミセルフ型での対応となります。

Flexcom pay

  • 業界最小クラスのコンパクトサイズ(横幅360mm × 奥行250mm × 高さ1,525mm)の自立型自動精算機です。
  • 多様な決済方法に対応(現金、クレジットカード、QRコード、電子マネー)しています。
  • 英語対応(画面表示・音声案内)しています。
  • 金銭関連機械でトップシェアの日本金銭機械株式会社の自社開発自社生産による低価格設計です。
  • 充実したメンテナンスサポート(専用コールセンター、全国70拠点のオンサイトメンテナンス)があります。
  • カラーオプション(標準色、ピンク、アイボリー、木目調、グリーン、イエロー、ブルー)がありますので、自院に合ったものを選べます。
  • レセコン連携ができる自動精算機にはなりますが、診察券のバーコード連携による運用も可能です。
flexcompay

卓上再来受付自動精算機 カナデン

  • 「再来受付機能」を持った自動精算機です。機器に診察券を読み込ませると受付票を発行します。
  • 顔認証による 受付・精算機能も可能です。

HappySelf  ハッピーセルフ

  • ミセルフレジ、フルセルフレジ、セルフ精算機の3機能を搭載した自動精算機です。
  • 繁忙期や混雑時にはセミセルフレジ、混雑していない時間帯やスタッフ不足時にはフルセルフレジといった使い方ができます。

セルフォート

  • 日本医師会ORCA管理機構が提供するキャッシュレスサービスを利用可能です。
  • 卓上型で省スペース設計です。560mm(W)×659mm(D)×580mm(H)
  • 自動精算機です。

ハヤシレジスタンド

  • レセコン連携の自動精算機です。
  • 再来受付システムとの連携も可能です。
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