介護生産性向上総合相談センター|役割と利用方法について紹介
目次
介護生産性向上総合相談センターとは
介護現場の生産性向上が課題となっている
日本では今後も継続して介護サービスの需要は増加の一途を辿ると予想されます。しかし、生産年齢人口の減少や介護職への成り手不足による介護現場の人材確保の課題があります。
一方で、介護の現場の生産性向上を行うことで介護サービスの質の向上や介護職員の負担軽減につながり、介護人材の確保や経営の安定にも寄与することが分かってきました。
介護現場の生産性向上の取り組みが不十分なままであると、人材不足のさらなる深刻化や、介護需要増大への対応が困難となるでしょう。そのため、高齢者が安心して生活を続けながらも、働く介護職員が誇りを持って働けるよう、都道府県などの地方自治体が中心として、介護施設の生産性向上をサポートしはじめました。
DXによる生産性向上を目指す
昨今の介護ロボットや介護ICTの発展により、介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが行われまはじめました。DXにより生産性の向上、サービス品質の向上、介護職員の退職防止に繋がっている好例も多く出てきています。
一方で、力に頼った持続性のない介助、時間のかかる紙の介護記録や転記作業、アナログ手段のために起こりがちなコミュニケーションミスなどが介護現場では多く残っているのが現実です。
これらの多くは介護ロボットや介護ICTによって解決ができ、確保された時間で介護の本業の質を向上させることが出来ます。
介護生産性向上総合相談センターの役割
都道府県などの地方自治体が、生産性向上のための取り組みを行う介護事業者に対して相談窓口を設置します。
また、介護ロボットや介護ICTによる介護DXを後押しするため、介護ロボットや介護ICTツールの研修や展示、専門家によるオペレーション構築マネジメントなどの伴走支援を行います。
- 生産性向上の取り組みに関する研修会
- 生産性向上に取り組む事業所への専門家の派遣
- 生産性向上の取り組みに関する相談対応
- 介護ロボット、介護ICTの展示・試用・貸出
自治体別の取り組み例
東京都 「介護職場サポートセンターTOKYO」(通称:介サポTOKYO)
東京都より委嘱を受けて公益財団法人東京都福祉保健財団が当事業を行っています。
次のような事業を行っていると表記があります
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- 補助金関係(デジタル機器導入促進支援、次世代介護機器導入促進支援、人材育成促進支援、東京都介護職員キャリアパス導入促進事業など)
- 次世代介護機器オンラン展示会
- 体験展示コーナー
- 専門相談
- 公開見学会
- 各種セミナーの実施
- 個別相談
- アドバンスト施設による次世代介護機器の導入事例
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
内容的には先に挙げた介護生産性向上総合相談センターの役割の4点に加え「補助金等の経費補助」や「アドバンスト施設・事業所の育成及び活用」というものも入っているようです。
介護ロボット補助金、介護ICT補助金、介護テクノロジー導入支援補助金などもトータルして検討していけるとより導入のハードルが下がるでしょう。
引用:https://www.fukushizaidan.jp/206genbakaikaku/
神奈川県 介護生産性向上総合相談センター
公益社団法人かながわ福祉サービス振興会事業推進部業務支援課が委託を受け次の事業を行ってます。
- 介護ロボットの試用貸出
- 介護施設への業務アドバイザー(介護ロボット・ICTの相談、伴走支援、研修会)
- モデル事業所による見学会等の開催
- 介護ロボットの体験展示
引用:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u6s/cnt/f420373/seisannsei.html
https://carerobot.kanafuku.jp/preadvisor/#noscript
都道府県などの地方自治体が、生産性向上のための取り組みを行う介護事業者に対して相談窓口を設置します。
また、介護ロボットや介護ICTによる介護DXを後押しするため、介護ロボットや介護ICTツールの研修や展示、専門家によるオペレーション構築マネジメントなどの伴走支援を行います。
- 生産性向上の取り組みに関する研修会
- 生産性向上に取り組む事業所への専門家の派遣
- 生産性向上の取り組みに関する相談対応
- 介護ロボット、介護ICTの展示・試用・貸出
伴走支援・研修・ファシリテーターをうまく使う
生産性向上のためのプロジェクトを初めて行う介護施設は多いものと思います。
そして、生産性向上ガイドラインはこのような介護施設にとってのプロジェクトの指針として良いガイドとなってくれます。
しかし、プロジェクト推進に慣れていない介護施設にとっては委員会やプロジェクトマネジメント、ツールの利用、ファシリテーションは難しいと考えられますし、実際、「うちではそんな余裕はない」という声をよく聞きます。
また、介護ICTやロボットなどの介護テクノロジーを購入しても、その利用が定着しないという施設が半数以上あるとされています。
そのため、スタッフ教育や伴走支援、ファシリテーションが不可欠とされおり、生産性向上ガイドラインでも伴走支援やファシリテーション、研修を外部業者に依頼することを勧めています。
また、このようなプロジェクトにおける教育や伴走支援に対しても補助金が適用できるようになってきておますし、補助金の適用要件として「第三者による業務改善支援又は研修・相談等による支援を受けること」という表記が入るようにもなってきています。
そのため、研修や伴走支援を前提にしてプロジェクトを開始し、補助金を申請するのは有効な方法でしょう。
当社は生産性向上のための伴走支援、介護テクノロジーの導入支援のための研修、セミナー、伴走支援(対面・オンライン)、ファシリテーション、さらには補助金申請サポートも行っておりますので、ご興味があればこちらからお問合せをいただければと思います。
DX医療介護ナビ 編集部
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