移動支援の介護ロボット・介護テクノロジー製品の比較!おすすめと選び方
目次
移動支援の介護ロボット
移動支援の介護ロボットとは、高齢者や身体障害者の自立した移動を支援したり、介護者の介助の負担を軽減するような機器です。
またこのような介護ロボットは、介護施設の業務改善、コスト低下、サービス品質向上に大きく貢献することが分かっており、次のような効果が期待できます。
- サービス品質の向上:
- 利用者の自立が促され活動範囲の広まります。
- 利用者は自ら移動が可能になることでQOLが高まり個別で品質の高いケアに繋がります。
- 転倒リスクの低減により安全性が向上します。
- 業務効率の向上:移動介助にかかる時間と労力が減り、1人介助も可能になります。
- 職員の負担軽減:腰痛などの身体的負担や事故の不安などの精神的ストレスを軽減することで離職防止に繋がります。
さらに、離職率低下や採用・教育コストの削減、先進的な取り組みによる施設イメージの向上により利用者や家族から選ばれる施設づくり(ブランディング)に大きく貢献できますので、介護ロボットの導入は短期的なコストではなく、中長期的な投資として捉えることもできます。
移動支援の介護ロボットの特徴
移動支援介護ロボットには以下のような特徴があります。
・利用者の自立した移動を促進
・転倒リスクの軽減
・介護者の負担軽減
そのために、移動支援介護ロボットには、歩行補助、バランス保持、転倒防止、障害物検知と回避といった機能が実装されています。
また、介護ロボットの重点分野(介護テクノロジーの重点分野)において、移動支援の介護ロボットはさらに以下の3つに分類が出来ます。
- 屋内
- 屋外
- 装着型
屋内型の移動支援介護ロボット
屋内型の移動支援ロボットには以下のような特徴があります。
- 室内での歩行や移動をサポートする
- 転倒防止機能を持つものが多い
- 狭い空間での使用に適している
- 段差や障害物の検知機能を持つものもある
- 利用者の自立歩行を促進する
屋外型の移動支援介護ロボット
屋外型の移動支援ロボットには以下のような特徴があります。
- 屋外での歩行や移動をサポートする
- より長距離の移動に対応している
- 不整地や傾斜にも対応できる設計となっている
- GPSなどの位置情報システムを搭載しているものもある
- 悪天候や様々な路面状況に対応できる耐久性がある
装着型の移動支援介護ロボット
装着型の移動支援ロボットには以下のような特徴があります。
- 利用者の身体に直接装着して使用する
- 歩行や立ち上がりなどの動作を直接アシストする
- 筋力の補助や関節の動きをサポートする
- リハビリテーションにも活用可能なものがある
移動支援の介護ロボットの製品比較
RT.1(アールティーワン)
- 屋内型の移動支援介護ロボットです。
- 電動アシスト付き歩行車です。
- 上り坂ではアシスト力が増加し、下り坂では自動的にブレーキがかかります。
- GPSによる位置情報管理機能付いているので場所が分かり安心です。
導入事例
社会福祉法人永寿荘 特別養護老人ホーム ご福あげお
利用者の歩行距離が平均約20%延長、転倒事故が約30%減少するという効果が得られています。
ロボットアシストウォーカー RT.1
ロボットアシストウォーカー RT.1WEBサイトより引用
オープンプライス(メーカー直販価格 ¥228,000[税別]~)
寄り添いロボット(転倒衝撃低減アクチュエータ)
- 屋内型の移動支援介護ロボットです。
- 歩行者はHagジャケットというクッション材を含んだジャケットを装着します。
- Hagジャケットはワイヤーとアクチェーターを介してレールに繋がっています。
- 生活動作(上下:立ち座り、段差、かがむ、 左右、 回転 等)に支障が出ずにサポートができます。
- 転倒の危険を感知すると自動的にワイヤーにブレーキがかかり、転倒を防止し着地させます。
導入事例
医療法人珪山会 鵜飼病院
直線5mのレールをリハビリ室に設置しています。階段の昇降訓練も可能で、日々の様々なリハビリテーションに活用しています。
寄り添いロボット(転倒衝撃低減アクチュエータ)
サンヨーホームズ株式会社
天井レール120,000円/m ~(直線レール)、分岐レールの追加費用などあり。アクチェーター885,500円/セット、Hagジャケット132,000円(税込)
RT.2(アールティーツー)
- 屋外型の移動支援介護ロボットです。
- 電動アシスト機能付きで、上り坂では自動でアシスト力が増加し、下り坂では自動でブレーキがかかります。
- 急な動きを検知すると自動でブレーキがかかり、転倒を防止します。
- センサーで路面状況を検知し、必要に応じて自動でブレーキをかけます。
- オプションでGPS機能を追加でき、位置情報の確認や歩行データの管理が可能です。
- 軽量設計(約9kg)で持ち運びやすく、折りたたみも可能です。
導入事例
社会福祉法人青森社会福祉振興団 特別養護老人ホーム みちのく荘
職員が解除せずに歩行訓練ができるようになり訓練が効率化し、利用者は歩行意欲が向上することで自律的な移動が促進されました。
ロボットアシストウォーカー RT.2
ロボットアシストウォーカー RT.2 WEBサイトより引用
WHILL Model C2(ウィル モデル シー ツー)
- 屋内外で使用できる移動支援介護ロボットです。
- コンパクトで高い走破性能を持つ電動車いす型の移動支援機器です。
- 段差や不整地でも安定した走行が可能です。
- 前輪に独自の全方向車輪を採用することで、その場での360度回転や横移動が可能なため小回りが利きます
- スマートフォンアプリを使用してリモート操作や各種設定変更が可能です。
- 防水・防塵性能(IPX4)を備えており、雨天時の使用も可能です。
- ノーリフティング介護ロボットで座位姿勢の利用者を持ち上げて移乗先に移動し降下させるシンプルな機構です。
導入事例
医療法人社団 和風会 橋本病院
利用者自身で屋内外の移動ができるため利用者のQOLが向上し、職員の移動介助負担が軽減しました。
WHILL Model C2
WHILL Model C2 WEBサイトより引用
HAL® 自立支援用下肢タイプ
- 装着型の移動支援介護ロボットです
- 生体電位信号を検知し、装着者の運動意思に従って下肢の動きをサポートし、歩行や立ち座りなどの動作を補助することができます。
- リハビリテーションや自立支援に活用でき、足腰の弱った方の機能向上を促すことができます。
- 体幹動作や立ち座り動作を繰り返し行うことで、身体機能の維持・改善が期待できます。
- 装着者の残存機能を活かしながら動作をサポートし、歩行機能の改善や日常生活動作(ADL)の自立度向上が期待できます。
- 介護者の身体的負担を軽減しつつ、利用者の機能訓練を行うことができる。
導入事例
医療法人社団 筑波記念会 筑波記念病院
利用者は残存機能で歩行ができるためQOLが向上し、残存機能の維持や改善ができました。リハビリ効果が向上しました。
HAL® 自立支援用下肢タイプ WEBサイトより引用
サイバーダイン
金額は要お問合せ
伴走支援・研修・ファシリテーターをうまく使う
生産性向上のためのプロジェクトを初めて行う介護施設は多いものと思います。
そして、生産性向上ガイドラインはこのような介護施設にとってのプロジェクトの指針として良いガイドとなってくれます。
しかし、プロジェクト推進に慣れていない介護施設にとっては委員会やプロジェクトマネジメント、ツールの利用、ファシリテーションは難しいと考えられますし、実際、「うちではそんな余裕はない」という声をよく聞きます。
また、介護ICTやロボットなどの介護テクノロジーを購入しても、その利用が定着しないという施設が半数以上あるとされています。
そのため、スタッフ教育や伴走支援、ファシリテーションが不可欠とされおり、生産性向上ガイドラインでも伴走支援やファシリテーション、研修を外部業者に依頼することを勧めています。
また、このようなプロジェクトにおける教育や伴走支援に対しても補助金が適用できるようになってきておますし、補助金の適用要件として「第三者による業務改善支援又は研修・相談等による支援を受けること」という表記が入るようにもなってきています。
そのため、研修や伴走支援を前提にしてプロジェクトを開始し、補助金を申請するのは有効な方法でしょう。
当社は生産性向上のための伴走支援、介護テクノロジーの導入支援のための研修、セミナー、伴走支援(対面・オンライン)、ファシリテーション、さらには補助金申請サポートも行っておりますので、ご興味があればこちらからお問合せをいただければと思います。