見守りシステムなど生産性向上のためのテクノロジーが多数|CareTEXケアテックス東京2024夏参加レポート

目次

CareTEX東京2024【夏】

2024年7月30日~8月1日に東京ビックサイトで開催されたケアテックス東京2024【夏】は、介護業界最大級の展示会で、最新の介護用品や介護テクノロジー(介護ロボットやICT)が一堂に会する展示会です。

特に、生産性向上を目指す介護テクノロジーに焦点を当てた展示やセミナーが注目を集め、多くの業界関係者が訪れていました。

当メディア編集部も現地へ足を運びましたので展示会参加レポートを作成しました。

生産性向上のための介護テクノロジーに注目

2024年度の介護報酬改定にて、生産性向上推進体制加算(要件として介護テクノロジーの導入が必要)の新設やLIFEの活用が示されたこともあり、介護現場でのテクノロジー導入が進み、職員の負担軽減やケアの質向上が期待されています。

当展示会は、介護用品展、介護施設ソリューション展、ケアフード点、介護施設産業展、介護テクノロジー展などの専門展示から構成されますが、今回の展示会は「介護テクノロジー展」が最大面積、最大出展社数となっているところからも、介護テクノロジーへの注目がうかがい知れます。

中でもIoTやAIのテクノロジーを使った「見守りシステムゾーン」は多くの出展企業と参加者で活況となっていました。

 

caretex東京2024夏

会場案内図より引用

AIとIoTの介護現場への応用

AIやIoTのテクノロジーを介護現場に応用するトレンドがあり、これらにより介護サービスの質向上と業務負担の軽減が行われています。

例えば、IoTセンサーを用いた見守りシステムは、利用者の健康状態や安否を遠隔で確認でき、緊急時の対応を迅速化しています。

生成AIを搭載したコミュニケーションロボットは、ChatGPTを代表とするLLMを搭載することで、数年前のコミュニケーションロボットを大きく凌駕する高度なコミュニケーションが行えるようになりました。

さらに、レクリエーションコンテンツ(クイズ、体操、ダンスなど)も高度化しています。

さらに、服薬支援システムや排泄予知システムなど、IoT技術を活用した各種支援システムも現れています。

このような介護テクノロジーにより介護現場の生産性向上や働き方改革、人材不足解消の解決に繋がることを期待します。

一方で、このようなテクノロジーは魔法のように見えますが、買っただけではうまく機能しません。テクノロジーを導入するまで、そして導入後のプロセスが最も重要とされています。

これらのプロセスを伴走する業務や研修・セミナーを、当メディア運営元のアズメド株式会社で行っておりますのでご興味のある施設様はお問合せいただければと思います。

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見守りシステムゾーン

見守りシステムは、カメラやセンサーなどを用い、非接触・遠隔で利用者の状態を知ることのできるテクノロジーです。

見守りシステムゾーンには22社の企業が出展していました。

コニカミノルタ社のカメラ型の見守りシステムHitomeQなどよく見られる製品に加え、重量センサーによる見守りや、体重測定もできるを行うミネベアミツミ社の見守りシステムなどがありました。

特に編集部が注目した製品については以下に個別に記します。

車の自動運転でも使われるミリ波レーダーを使った見守りシステム「フィンガルリンク」

株式会社ユーウェブの「フィンガルリンク(Finggal Link)」は車の自動運転などに用いられるミリ波レーダーを使った見守りシステムです。

ミリ波は水分と鉄分に反応するということで、水分=人間、さらには水分=排泄物として認識することで人の場所の状態や、排泄物などを検知、さらには呼吸や心拍、体温まで測定できるということです。

よって、カメラやシートやマットセンサーなどでは組み合わせないと感知できないものが1台で感知できるという多機能性を持っています。

https://yuweb.co.jp/

さらにこの多機能性を持ち合わせながら大手の見守りシステムの半値程度というコスト競争力のとことでした。

様々な特許や技術を持ち合わせまだまだ進化中で他社とは差別化できるということでしたので今後の進化や普及が楽しみな製品でした。

フィンガルリンク機能一覧

今後注目すべき介護テクノロジー製品

介護のテクノロジー製品というと、電子介護記録システムや見守りが注目されがちですが、今後の日本国の介護制度の仕組み上しっかりとキャッチアップした上でテクノロジーを検討しなければならないことがあります。

 

その一つとしてデータの活用とアウトプットです。

介護保険制度はこれまで「Aという行為をしたら100点」という制度でしたが、今後は「Aという行為をしてBというアウトプット(成果)を出したら300点を加算する」という仕組みに変わりつつあります。

 

日本国が力を入れるLIFE(科学的介護システム)連携の推進はデータに基づき評価を行っていくような仕組みを作っていることに他なりません。

介護テクノロジー製品のデータを集約するプラットフォーム「ケアデータコネクト」

株式会社ブライト・ヴィーの「ケアデータコネクト」は、介護テクノロジー製品ごとに散らばるデータを集約して一画面で見せるプラットフォームです。

介護記録システムには介護記録が、見守りシステムにはバイタルや行動のデータが、排泄管理システムには排泄に関するデータという風に各システムにデータが紐づきますが、これらのデータを統合して、総合的に利用者の状態を見える化することができます。

当プラットフォームは様々な介護テクノロジー製品と多数連携を行っておりデータの統合が行えりようにしているとのことです。

厚生労働省のLIFEはデータを集めることで科学的な介護を実現するプラットフォームですが、このようにデータドリブンで介護制度を構築していく仕組みは今後加速していくものと考えられます。

データドリブンな仕組みに対応していくうえで当製品は今後要注目な製品です。

ケアデータコネクト

ケアデータコネクト

ケアデータコネクト

AIコミュニケーションロボット Kebbi Air(ケビー・エアー)

見た目はよくありがちな画面に顔がついているロボットなのですが、当製品はその多機能性に注目です。

 

レクリエーション機能(クイズやダンスなど多数)に加えて、利用者や家族の入退室管理や受付、介護記録など多くの機能が1台で行えます。

 

最大の特徴はLLM搭載により、生成AIがスムーズな会話を行うということです。

 

実際に編集部も会話をしてみましたが、少し受け答えにタイムラグはあるものの(展示会なので回線の関係もあると思います)、とても高度な会話のやりとりができました。

 

介護職員がなかなか話し相手になることが難しい場合でも、高齢者のお話をいつでも上手に聞いて、しっかりと会話のキャッチボールをしてくれます。

Kebbi air

 

Kebbi air

感想

介護施設の生産性向上には、テクノロジーが重要な役割を果たします。

そしてそのテクノロジーを用いた製品は日進月歩でレベルアップしより現場職員が使いやすく、より利用者へ高いサービスが提供できるようになっています。

様々なテクノロジーを導入することで従来とは一歩進んだ介護施設が増え、介護職員や利用者の満足度が高まり持続可能な介護となっていくことを期待します。

 

このようなテクノロジーは魔法のように見えますが、買っただけではうまく機能しません。テクノロジーを導入するまで、そして導入後のプロセスが最も重要とされています。

これらのプロセスを伴走する業務や研修・セミナーを、当メディア運営元のアズメド株式会社で行っておりますのでご興味のある施設様はお問合せいただければと思います。

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