生活習慣病管理料|療養計画書作成管理支援システムのおすすめ比較

療養計画書

目次

生活習慣病管理料 療養計画書とは

2024年6月より開始する診療報酬改定により、新たに「生活習慣病管理料(Ⅰ)」と「生活習慣病管理料(Ⅱ)」が新設されたことは大きなトピックとなっています。

特に脂質異常症、高血圧症、糖尿病の3病名は、これまでの算定できた特定疾患療養管理料の対象疾患から外れるため、代わりに生活習慣病管理料(II)を算定する医療機関が増えるものと思われます。

生活習慣病管理料(II)を算定するあたっては療養計画書の作成が必須となっているため、これら3疾患の患者を多く抱える医療機関にとっては新たな対応や業務が発生します。これら療養計画書に関わる業務を効率化する必要が出てきていることでしょう。

 

生活習慣病管理料算定のポイント

生活習慣病管理料は、生活習慣病の適切な管理を促進するための重要な医学的管理です。

医療機関は、療養計画書の作成を通じて、患者の自己管理を支援し、合併症の発症を抑えていくことが期待されており次のような取り組みが必要となります。

  • 患者ごとに療養計画書の作成を行う。
  • 療養計画書には、患者の目標設定や指導内容を記す。
  • 歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。
  • 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示すること。

生活習慣病管理料算定のための療養計画書の要件

※ここでは脂質異常症、糖尿病、高血圧症の病名に対し、生活習慣病管理料(II)を算定するための療養計画書の要件を記しています。

  • 療養計画書に必要な項目

    • 【①達成目標】: 患者と相談して設定した目標
    • 【②行動目標】: 患者と相談して設定した目標
    • 食事の量や質の適正化(食塩・調味料を控える、野菜・きのこ・海藻などの摂取など)
    • 計画的な運動の実施
    • 禁煙・節煙、減酒などの実施
    • その他の生活習慣の改善
  • 患者と相談の上で作成し、患者の同意を得る必要があります。

  • 初回作成時に患者の署名を得る必要があり、その後は約4か月ごとに更新する必要があります。

  • 療養計画書をは患者に交付する必要があります。

つまり、生活習慣病管理料の算定には、患者と相談の上で作成した食事や運動などの生活習慣の改善につながる具体的な療養計画書が必須となっていること、そしてその定期的な更新と患者の同意が重要なポイントとなっています。

そのため、医療機関には適切な療養計画書の作成と更新、継続的な管理が求められています。

初回用と継続用の2種類の療養計画書

生活習慣病管理料算定のための療養計画書には初回用と継続用の2種類があります。初回用途継続用の違いは次のようになります。

主な違いは、初回は詳細な情報を記入し、患者の同意が必要で継続用は 変更点のみ更新し、患者の署名は不要(担当医師のチェックは必要)となります。

初回は包括的な療養計画書を作成し、継続時は前回からの変更点を簡潔に記録します。

初回用

初めて生活習慣病管理料を算定する際に使用する様式です。
患者の基本情報、検査データ、療養目標などを詳細に記入します。
患者の署名(同意)が必要です。

管轄当局のWEBサイトから書式がダウンロードできます。初回用はこちらからDLできます。別紙様式9

厚生局の雛形(Excel)

全国保険医団体連合会(Word)

東京保険医協会(PDF)

 

継続用

生活習慣病管理料を継続して算定する際に使用する様式です。
前回の療養計画書から変更のあった項目のみ更新します。
患者の署名は不要で、医師のチェックで構いません。

管轄当局のWEBサイトから書式がダウンロードできます。継続用はこちらからDLできます。別紙様式9-2

厚生局の雛形(Excel)

全国保険医団体連合会(Word)

東京保険医協会(PDF)

生活習慣病管理料 療養計画書作成管理支援システム

療養計画書を作成するためには以下のステップが必要となるため、作成には多くの手間や時間が発生します。

  • 患者さんからのアンケート
  • 検査結果の転記(体重、BMI、血圧や血糖値、コレステロール値の情報など)
  • 食事の指導
  • 運動の指導
  • たばこの指導
  • その他(仕事や睡眠など)
  • 医師のサイン
  • 患者のサイン

これらの情報は、患者さんからのインタビュー、電子カルテ、サインなど様々な媒体から集めて集約する必要があるため、思ったより手間がかかるものです。

また、これらを4か月に1回実施する必要があるため管理(定期的に忘れずに実施する、達成状況を確認する、患者さんにお渡しするなど)の面でも手間がかかります。

せっかく計画書を作っているのに、管理が不十分となると減算の対象ともなりかねませんので、効率的に管理を行いたいものです。

そこで便利になってくるのが療養計画書作成管理支援システムです。

このシステムは以下のような機能が備わっているため、医療機関の療養計画書の作成や管理業務の効率化に役立ちます。

  • 患者さんへの問診(インタビュー):問診をWEBやタブレット端末から電子的に行い電子データとします
  • 計画書自動作成:問診や医師から得られた電子データを集め自動的に計画書に反映させます
  • 電子署名:医師や患者のサインを電子的に有効な形で得られます
  • 管理機能:療養計画書の定期的な更新アラート、患者さんへの案内が行えます
  • 教育コンテンツ:患者さんの生活改善のための教育を行います

療養計画書作成管理支援システム5選

Symview

SymviewはWEB問診で有名なツールですが、電子同意書機能のオプションを入れることで生活習慣病療養計画書が作成できるようになります。

  • WEB問診から療養計画書のち患者さんからの問診が必要な部分を自動的に埋めることが出来ます。
  • 専用の問診表テンプレートが準備されているので問診を作成する必要はありません。
  • 生活習慣病 療養計画書(問診機能ver
  • 電子同意書機能により患者さんや医師サインまで自動化が出来ます。
  • 生活習慣病 療養計画書(電子同意書機能ver
  • 同社サービスのKakariteを契約することで患者ごとの療養計画書の発行タイミングの管理が行えます
  • 患者教育のための動画等のコンテンツが利用できます
symview

生活習慣病算定支援ソフト

クリニック向け電子カルテMedicomシリーズで有名なメーカーがリリースしたシステムです。

  • 初回と継続用の療養計画書の作成を支援します。
  • 外来データ提出加算の算定支援ができます。
  • 電子カルテの情報から療養計画書を自動作成します。
  • 2024年5月の先行受注で9000件もの申し込み(WEMEX社WEBサイトでのプレスリリース
wemex

リカバル

元々は遠隔でのリハビリ管理支援などを行っていたシステムですが生活習慣病管理にも対応した形となっているようです。

  • 患者教育を行う機能(生活改善の啓発や患者アプリでの動画コンテンツ当)が充実しています。
  • 療養計画書の作成工数を削減します。
  • 患者アプリでは生活記録や定期メッセージ配信が行える。
  • スマートウォッチ連携ができる。
  • 初期費用0円、月額費用0円で、療養計画書の枚数により課金されます。
  • ~60枚 150円/枚、 60~150枚 9,000円(定額)、151~300枚 9,000円+100円/追加枚数、331枚~ 27,000円(定額)
リカバル

生活習慣病DX

  • WEB問診により患者から情報を集めます。
  • 診療ガイドラインの内容と数値の自動計算機能があり栄養価や目標値等の計算に利用できます。
  • 1週間の無料トライアルがあります。
  • 初期費用9.9万円 月額費用3.3万円(初期費用は無料キャンペーンもあり)

メルプドキュメント

WEB問診のメルプの姉妹製品です。

  • 療養計画書のテンプレートで作成時間を削減します。
  • 電子署名により患者さんからサインを取得することができます。
  • 患者ごとに作成日を確認でき、4か月ごとの作成アラート表示ができます。
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